過払い金の相談に必要となる資料
1 過払い金の相談の際にお持ちいただきたい資料
実は、過払い金の返還請求は、いつ頃、どの貸金業者等から借入れをしていたか(または現在しているか)という情報さえあれば可能です。
そのため、身分証明書や契約書作成のための印鑑など、委任契約上必要となるものは別途存在するものの、極論すると、過払い金のご相談の際に必要となる資料はありません。
もっとも、借入れをしていた、または現在返済している貸金業者等のカード、取引履歴、契約書がありますと、過払い金返還請求が可能であるか否かの判断も含め、よりスムーズに過払い金返還請求を進めることができます。
以下、それぞれの資料について詳しく説明します。
2 借入れをしていた、または現在返済している貸金業者等のカード
完済をしてから長い時間が経過していると、かつて借入れ・返済をしていた貸金業者やクレジットカード会社の記憶が曖昧になってしまうこともあります。
記憶のみに頼って貸金業者等に対して取引履歴を請求した結果、当該貸金業者等から借入れをしたことがないことが判明するということもあります。
そのため、もしお手元にあれば、貸金業者やクレジットカード会社のカードをお持ちいただくと、借入れをしていた、または現在返済している貸金業者等の情報を正確に把握することができます。
近年ではカードが発行されず、アプリのみになっていることもありますので、スマホでアプリの画面をご相談の際に見せていただいても大丈夫です。
3 取引履歴
取引履歴は、過去の借入れと返済の履歴が時系列順に記載された書類であり、過払い金の計算のために必要となります。
過払い金返還請求のご依頼をいただいたあと、弁護士が貸金業者やクレジットカード会社から取引履歴の提供を受けることも多いですが、2週間~1か月程度の時間を要します。
そのため、もしすでに取引履歴を取得されているのであれば、ご提供いただくと、過払い金を算定するための引直し計算を迅速に行うことができます。
4 契約書
貸金業者等から借入れを開始する際に作成した契約書は、過払い金返還請求の際に、必ず使用するというものではありません。
もっとも、貸金業者等に対して過払い金の返還請求をした際、貸金業者等から争点(過払い金返還請求に応じなくてよい事由)が主張され、争いに発展することもあります。
過払い金返還請求の訴訟提起を検討する必要がある場合においては、契約書があるとより綿密な検討をすることが可能となります。